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2012年08月07日

地表面を水が流れる仕組み

沖縄では,台風によって引き起こされる地球の営みをいろいろと観察することができます。今回は,前の記事「台風11号」に関連して,地表面を科学する視点から少しばかり解釈を加えてみましょう。

沖縄では,強い雨があると,多くの河口が赤く染まります。山地や丘陵地の表面を覆っている赤土が流されるからです。

赤土はなぜ流されるのでしょうか。地表面を水が流れるからですね。では,なぜ地表面を水が流れるのでしょうか。「そんなことは当たり前だ」と思うかも知れませんが,そうでもないのです。

地表面に到達した雨水は,大気圏に帰ったり(蒸発散),地中に潜ったり(浸透),いくつかの経路をとります。穏やかな雨なら地表面でどんどん浸透していくので,地表を水が流れることはありません。

しかし強い雨だと,その力(降雨強度)が,浸透する能力(浸透能)を上回ってしまいます。そのような状況が発生してはじめて,地表面を水が流れるのです。これが地表流の発生メカニズムです。

地表流が発生しなければ,赤土は流されませんね。この仕組みは,沖縄の雨の強さと,地表面の状態によって引き起こされています。

次回「地表物質が水で流される仕組み」では,沖縄の地表面にどのような問題があるのかを考えてみたいと思います(つづく)。



文責:尾方隆幸


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Posted by ryukyugeo at 12:03│Comments(0)普及啓蒙
 
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